糖尿病 対策

外資系保険会社の参入で、糖尿病患者でも加入可能な保険は増加

糖尿病や高血圧などの生活習慣病やがんに罹患している場合は、これまでは加入出来る保険がごく少数だった。加入可能でも、掛け金が非常に高く、実際には加入不可能だった。しかし、近年、外資系の保険会社の相次ぐ市場参入で医師による診断書不要、最低事項の告知だけで、糖尿病や高血圧などの生活習慣病、がんに罹患していても保険に加入出来るようになって来た。告知する最低事項は保険会社により異なるが、概ね、一定期間入院していない、がんなどの病気で通院していないなどの項目を満たしていれば加入可能だ。

外資系の保険会社は、「リスク細分化型保険」で疾病を抱えている人でも加入を可能としている。「リスク細分型保険」とは、生命保険会社が様々なリスクを細分化して設定し、該当リスクが少ない場合には、通常加入よりも保険料を低く設定している生命保険の事を意味する。加入前に罹患していた疾病が悪化した場合の、入院と手術も保障される保険が多いのも、外資系医療保険の特徴だ。

糖尿病とその合併症に特化した医療保険「エクセルエイド少額短期保険」は①現在、入院・手術を必要とする自覚症状がある②過去2年以内に入院・手術歴がある③過去5年以内にがん、肝硬変と診断された事がある、以上の3項目に該当していなければ加入可能だ。元々は、保険に加入不可能だった、1型糖尿病に罹患している小児救済のために登場した医療保険だ。

「アフラック」の保険「新やさしいEVER」は、持病、既往症を抱えている人でも加入出来る。通院している、服薬治療をしている人で、健康上の理由で保険の加入を諦めていた人の要望に応えるために、引受基準を緩和した医療保険だ。入院は病気、怪我も、1日目から保障される。加入前に罹患していた疾病が悪化した場合の入院、手術も保障対象となる。当然、糖尿病に罹患していても、加入出来る。糖尿病が悪化、三大合併症を発症した場合の入院、必要な手術も保険対象となる。

「アメリカンホーム・ダイレクト」も、持病を持っている人でも加入出来る保険を、「みんなのほすピタる3000」という名称で販売している。「生活習慣病タイプ」だと、糖尿病に罹患していても加入可能だ。初回一律月3,000円の保険料で加入可能だ。「メットライフアリコ」も、同様の医療保険を販売している。

以上はほんの一例に過ぎず、外資系保険会社の参入により、日本の保険会社の意識も変わり、糖尿病などの生活習慣病、がんを罹患している人でも加入出来る保険は、確実に増加している。同様の保険はウエブサイトから、多数の商品を比較検討出来るので、PCを所有している人は、加入を諦めず、ウエブサイト上で自分が加入出来る保険を探してみるのも良いだろう。

糖尿病に罹患すると体重の減少、倦怠感などの症状が自覚される

糖尿病の症状は、糖尿病に特有の症状がない。糖尿病は無症状、または症状を自覚出来ない状態が多い。強いて列挙するならば頻尿、喉が渇く、水分を大量に摂る事が、最も糖尿病に罹患している疑いの高い症状だとされる。糖尿病で血液中の糖の量が多くなる、即ち、高血糖値状態になると。脳が血中の糖分を希釈するために、腎臓へ水分を分泌させる指令を出す。従って、細胞から水分が多量に排出され、脱水状態を引き起こす。

細胞から出た水分は、尿となって体外に排泄されるため、多尿症を発症し頻尿となる。同時に水分を必要とするため、喉が乾き多渇症を併発する事になる。ところが、高血糖値状態が続いていると、摂取した水分は尿となって排泄されてしまい、細胞は脱水症状のままだ。水分を多量に摂取しても、多渇症はおさまらず、頻尿が続く事になる。

また、手足の先がしびれたり違和感がある、胃腸不良である、歩行すると足の裏に痛みが生じる、小さな傷でも治りにくく化膿する、皮膚にかゆみを生じる、四肢の先端に冷感または熱感を感じる。以上の状態が症状として挙げられる。

その他の症状としては、体がだるい、体重が減少するという症状が現れる、また、逆に、体重が増加するという症状が現れる、食欲が異常に増進する、体がむくむ(特に下肢)などが、糖尿病の症状として挙げられる。糖尿病は症状が不明確なため、上記の症状が現れる頃には、血糖値やヘモグロビンA1cの値はかなり高く、病勢がかなり進行してしまっている事が多い。

糖尿病患者はがんの罹患率が高く、がんで死亡する事例の報告も

糖尿病患者はがんに罹患する確率が、他の疾病に比べて高く、がんで人生に幕を下ろし死亡する事が多いとの報告がある。がんと診断される以前から、糖尿病患者はがんでの死亡リスクが高いとされているのだ。

一方、糖尿病の合併症は、慢性合併症と急性合併症に大別される。慢性合併症は、成因やその病態から、血管障害合併症とその他の合併症に分類される。さらに血管障害は、細小血管障害と大血管障害とに分けられる。細小血管障害が、所謂三大合併症だ。その内の1つである糖尿病性腎性により、腎不全を発症し死亡する事もある。糖尿病は「境界型」の段階から、igt(食後高血糖、Impaired Glucose Tolerance)の様相を示し、大血管障害合併症の発症要因としては、igtは主要因となっている。

大血管障害、即ち動脈硬化に由来する合併症で、糖尿病自体が危険要因となり高血圧、高脂血症を併発し、心筋梗塞、狭心症といった虚血性心疾患、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症のいずれかの疾病を発症し、死亡に至る事も多いとされる。

急性合併症の代表例は、糖尿病性昏睡と急性感染症が挙げられる。この2つの症状は、特に、インスリン療法治療の進歩により、発症とその予後経過は、以前と比較して、著しく改善されている。しかし、未だに克服されたとは言えず、意識障害をきたし、多くの臓器障害を併発し死亡する事もある。糖尿病での死亡例に特徴的な事は、様々な合併症、血管障害などを併発し、所謂、最期は多臓器不全状態となり、死亡する事だと言えよう。

糖尿病初期には、罹患していても残念ながら自覚症状に乏しい

糖尿病に罹患しても、この疾病は初期には、残念ながら自覚症状に乏しい。従って、「境界型」であるにも関わらず放置してしまい、かなり病勢が進行してから、初めて異変に気付き受診というケースがほとんどなのだ。

糖尿病の自覚症状は、老化に伴う症状や更年期障害が引き起こす症状と似ている症状も多い。自覚症状の中でも、最も自覚しやすいのは、主に高血糖による神経障害と高血圧による血管系の障害だ。糖尿病性神経障害を既に発症している事もあり、また、igt(食後高血糖、Impaired Glucose Tolerance)の様相を呈している人は、大血管障害を引き起こしているおそれもある。この場合は、かなり病勢が進行している状態だ。すぐに、受診しなければならない状態だ。

その他に、強いて糖尿病の自覚症状としては、恒常的に体がだるく感じる、疲れやすく、疲れが取れにくい、喉が異常に渇く事が多く、摂取する水分の量が多い、頻尿気味で尿量も増えた、体重が急に増加した、あるいは逆に急激に減少するという症状が現れた、食欲旺盛になった。以上の症状が、典型的な自覚症状として挙げられる事が多い。しかし、上記の症状が必ずしも糖尿病に限ったものではなく、単なる疲労や体調不良との区別がつかず、自分で判断する事は困難な場合が多い。

また、手足の先がしびれたり違和感がある、胃腸不良である、歩行すると足の裏に痛みが生じる、小さな傷でも治りにくく化膿する、皮膚にかゆみを生じる、四肢の先端に冷感または熱感を感じる。以上の症状が自覚症状となる事もある。しかし、これらの症状も、糖尿病特有の自覚症状ではないのが、厄介な点だ。従って、上記の条件に該当するからといっても、確実に糖尿病に罹患しているわけではない。ただ、該当項目が多い人は、糖尿病に罹患しているおそれもある。一度病院で、血糖値とヘモグロビンA1cの検査をする方が良い。

糖尿病罹患で糖代謝異常を起こし、体重減少の症状が生ずる事も

糖尿病に罹患すると、体重が減少する事がある。異常な体重減少は、重篤なサインかもしれない。なぜ糖尿病で体重が減少するのか。それは、体のエネルギー不足が原因だ。体の機能が正常な場合、分泌されたインスリンは肝臓や筋肉、脂肪組織の細胞に存在するインスリン受容体(インスリンと結合したブドウ糖を受け取る働きをする組織)と結合、ブドウ糖を細胞内へ取り込み、細胞のエネルギー源としての利用を可能とするのだ。このように、インスリンがブドウ糖を全身の細胞へと運び、体を動かせている。

高血糖に体が晒され続けインスリン抵抗性(インスリンが働きにくくなる)の状態になると、インスリンの分泌量は低下し、インスリンの働きに異常をきたし糖代謝異常が生じ、ブドウ糖をエネルギー源として細胞へ摂り込めなくなる。この状態になると、膵臓はブドウ糖の代わりに、脂肪酸やタンパク質をエネルギー源として使用する。脂肪酸は体のエネルギー源であり、タンパク質は体を構成するのに必要な物質であり、脂肪酸もタンパク質も糖代謝に使用されると体全体がエネルギー不足となり、その結果、体重が減少するという症状が現れるのだ。

いくら多くの食事、カロリーを摂っても太るどころか、次第に体重が減少する、糖尿病特有の体重の減少が見られるようになる。これは、糖尿病の自覚症状の1つなのだ。糖尿病に罹患しているとは気が付かずに「痩せて良かった」と思い、放置したまま治療を行わずにいると、体調が急変する事もある。そうなって、初めて受診をすると、糖尿病に罹患しており、それもかなり悪化していたという事例もある。ダイエットなどの減量を行っていないのに、急激に体重が減少するという症状が現れた場合、糖尿病の疑いもありうるのだ。体重が減少するという症状が出る場合、血糖値が非常な高値になっている可能性がある。同時にインスリンが極度に不足している事も考えられる。

果物はビタミン、ミネラル、食物繊維を糖尿病患者に与えてくれる

果物には糖分が含有されているので、糖尿病患者の食事療法に含めるのは良くないのではと思われるが、果物は1日当たり80kca!程度、みかん約2個程度は摂取するように推奨されている。果物は、エネルギー量当たりのビタミンCやカリウム、食物繊維の含有量が高く、糖尿病の食事療法でも、必要な栄養素が効率良く摂取出来る食物なのだ。果物は糖尿病の食事療法でも、血糖値を上昇させにくい食品だ。みかんのgi値は33、りんごは36だ。果物の摂取は、糖尿病の食事療法には欠かせない。

日本国内のある1地域の住民を対象にした疫学調査では、果物や緑黄色野菜に多く含まれるカロテノイドの値と、糖尿病の罹患判断基準となるヘモグロビンA1c値との関連について興味深い結果が報告されている。この調査では、カロテノイドに特に着目し、カロテノイドの内、炭素と水素とから成る化合物の総称のカロテン(カロチン)、リコピン(多くのカロテノイドの生合成における重要な中間体)などの血中濃度が高い人は、ヘモグロビンA1cが低値である事が報告されている。

ビタミンCの供給源としては、果物によるところが大きい。近年、血中ビタミンCと2型糖尿病発症率との関係を追跡調査した結果が報告された。無作為抽出の健康な男女を12年間追跡。調査開始時に血中のビタミンC濃度が最も高かった人々の2型糖尿病の発症リスクは、最もビタミンCの血中濃度の低かった人々比較して3分の1以下まで低下したとされている。

ビタミンCは主要な抗酸化物質であり、生体内における酸化ストレスを軽減することで、2型糖尿病の発症を抑制するのではないかと考えられている。このような期待から、最近、ビタミンCを長期間投与して、2型糖尿病の発症を抑制出来るか否かを検討した大規模な調査の結果が報告された。虚血性心疾患歴を有する人、もしくはこれらの疾病への罹患率が高い人約8,000人を対象者として、毎日500mgのビタミンCを約9年間、継続投与した。

結果として、2型糖尿病の発症リスクが、ビタミンCを摂取している人は、摂取していない人より、約10%低下したとの報告がある。またこの研究では、血中アディポネクチン(脂肪細胞が分泌する生理活性物質)の増加と、血中過酸化脂質の低下も観察された事から、抗酸化剤としてのビタミンC投与により、酸化ストレスが軽減する事で、インスリン抵抗性が改善したのではないかと報告している。ただし、果物をジュースにして摂取すると、繊維質が失われるため、糖分のみの摂取となり、逆に、血糖値を上昇させてしまう事も報告されている。

糖尿病患者の摂取カロリーは低めに、一食相当500kca!が一つの目安に

糖尿病の食事療法で摂取するカロリーは、1食当たり約500kca!、1日で約1500~1600kca!とされている。このカロリー内で、脂質・糖質・炭水化物とビタミン・ミネラルのバランスを摂れる食事を摂れば良いのだ。一説には、米を摂取せずに、血糖値を最も上昇させる炭水化物を摂取しないのが妥当だとの意見もある。

米やパンといった炭水化物が血糖値を最も上昇させるのは事実だが、その事が気になるのならば、gi値(グリセミック指数)を考慮して、指数の低い玄米や玄米パンを主食とする事で、良好な食事療法が実践可能だ。

カロリー制限は血糖値上昇を抑制するために、殆どの医師が用いている手法だ。糖尿病を発病すると、1~2週間程度の教育入院を医師から勧められる場合がある。この1~2週間の間に、1日のカロリー摂取量約1500~1600kca!の、所謂糖尿病食を摂取し、糖尿病患者に必要な摂取カロリーの食事を知ってもらうわけだ。糖尿病の食事療法で、血糖値抑制のためにカロリーという尺度を使用しているのは日本だけであり、欧米ではカーボカウントという、異なる尺度を使用している。

カーボカウントとは、igt(食後高血糖、Impaired Glucose Tolerance)の主要因の炭水化物量を計算した糖尿病食事療法だ。勿論、カロリー摂取量を尺度とするか、カーボカウントの方が合理的なのかは意見が分かれる。おそらくは主治医は、バランスの取れた、カロリーを制限した食事療法を実践するようにと、アドバイスが行うだろう。食事療法は、栄養士が管理しているのが実情のようだ。糖尿病を罹患している人は、栄養士に依頼してgi値を参照して、おいしい糖尿病食を作ってもらえば良いだろう。その際、カロリー摂取量の制限は、やはり、重要性を帯びて来る事は確かだと言える。

糖尿病の改善には、何よりも血糖値を下げる事が必要不可欠

2型糖尿病の症状改善には、何よりも血糖値を下げる事が肝要だ。血糖値が下がらない事には、症状の改善は見られないと断言出来よう。症状の改善のためには、食事療法による摂取栄養バランスの改善、並行して実施すべき運動療法がキーとなっている。糖尿病は最も肥満している状態の時に発症しているので、食事療法と運動療法による肥満防止が発症の防止、症状の改善への最短ルートと言えよう。

血糖値降下剤の投与、インスリン注射などによる薬物療法は、あくまでも食事療法と運動療法の補完的役割を果たすと考えよう。薬物投与のみでは、決して糖尿病の症状改善は見られない。また、漢方を中心とした「劇的」な血糖値降下を謳っている治療の効果も、あくまで、一例に過ぎないと考えておくべきだろう。

勿論、食事療法と運動療法では、血糖値コントロールの改善が見られない状態の場合、入院治療が必要となって来る。血糖値降下剤の投与で、血糖値コントロールが改善されるように治療する事になる。インスリン注射などで、膵臓への負荷を軽減する事になる。しかし、繰り返し言うようだが、糖尿病治療の根底には肥満を防止する食事療法と運動療法があり、薬物投与は、あくまで、補完的役割のために行われると思い、治療に臨むべきだ。

食事療法と運動療法を根底に据え、治療を進めて行けば、血糖値コントロールを良好に保つ事も可能となろう。食事療法では、摂取する食物のgi値(グリセミック指数)を把握しておく事で、igt(食後高血糖、Impaired Glucose Tolerance))を予防出来るメニュー構成も可能となり、食事療法の効果が、より顕著に現れる事になる。運動療法を並行して実施する事で、糖尿病の症状改善が見られる事になろう。

運動療法中心の糖尿病新ガイドラインの発行で、分かりやすい判断が

2型糖尿病治療における運動療法に関する新しいガイドラインが、米国糖尿病学会と米国スポーツ医学会から共同で示された。米国スポーツ医学会の学会誌「スポーツ実践においての医学と科学」2010年12月号上に掲載されている。

要点としては、糖尿病治療での運動療法の重要性に触れ、「運動や身体活動を増加させる事は、健康的な生活をおくるために、全ての人に勧められる」と、運動療法が糖尿病患者のみならず、全ての人の健康維持に有効である事を表明している。新ガイドラインは、糖尿病患者は、ウォーキングなどの適度で「活発な」運動を週に3日以上、合計で約2.5時間以上を行うことを推奨している。これは、厚生労働省が推進する「健康日本21」が推奨する、1日当たり1万歩の歩行量と同程度の運動量であり、改めて、糖尿病予防と治療における、運動療法の占める重要さが確認されている。

一方で、合併症を発症し、かなり進行してしまっている糖尿病患者には、概して、運動療法による症状の悪化が見られるとの通説に乗っ取った形で、「血糖値コントロールが悪い場合、糖代謝異常を起こしているような場合、糖尿病合併症を発症している場合、運動が制限あるいは禁止される事もある」と、同誌では運動療法が制限されうる事の可能性も指摘している。

しかし、合併症を発症していない場合、通常の血糖値コントロールが可能な患者の場合は、適度な運動を継続する事で、糖尿病治療に運動療法が多くのメリットをもたらす事は確実であると言及。運動療法によりブドウ糖、脂肪酸の利用が促進され、血糖値は低下。運動療法の継続で、2型糖尿病を最も発症しやすい状態である肥満を防止し、適正体重への減量が可能であり、また、インスリン抵抗性も解消する。結論として、糖尿病患者であっても、極端に運動量を減少させる事は、治療上、デメリットになると、新ガイドラインでも、糖尿病治療における運動療法の重要性を再確認、強調している。

膵臓のβ細胞が破壊され発症するのが1型糖尿病、欧米人に多い

欧米人が多く罹患する糖尿病は、1型糖尿病だ。1型糖尿病の発症メカニズムは、本来自分の体を外敵から守るはずの免疫系統が、インスリンを分泌する膵臓のβ細胞を異物と判断。誤って、β細胞を選択的に攻撃・破壊する事から発症するとされている。遺伝的な要因も挙げられるが、体に侵入する細菌やウイルスに抵抗、毒を出さないようにしたり、感染を防止する物質である自己抗体が変成してしまっており、自分自身の体の組織や細胞の免疫反応を引き起こさせる物質の総称である抗原を、誤って攻撃してしまうという説。

一方で、ウイルス感染説、食品(牛乳や離乳食を始めるタイミングが悪影響を及ぼしている)による発症、体内の活性酸素の一種が影響しているなどの説が挙げられている。β細胞が破壊される事でインスリンの分泌が出来なくなるので、定期的にインスリン注射を行う必要が生じる。この様な発症メカニズムと病状から、2型糖尿病とは全く別の疾病とされる。

食品が原因というのは、例えば、乳児の段階では小腸中の粘膜によるバリア機能が未完成なので、人工ミルクも牛乳もタンパク質がそのまま体内に取り込まれてしまい、その結果、自己抗体がβ細胞の表面にある類似のタンパク質を、非自己と認識し攻撃・破壊するのではないか、という仮説が立てられている。ウイルス説も有力で、1960年代にイタリアのサルデーニア島、1970年代にフィンランドで見られた1型糖尿病の著しい増加の説明に都合がよい仮説だ。

ありふれたウイルスである、ヒト・パレコウイルス(小児の胃腸炎や呼吸器疾患から分離されるウイルス)が、1型糖尿病の引き金になるという論文が、ノルウェーの研究所から発表された。このヒト・パレコウイルスと類似のウイルスがネズミだけに感染して、そのネズミに1型糖尿病を引き起すことが知られている。血中に自らの腎臓のβ細胞を攻撃する自己抗体が認められる型を1A型(自己免疫性)、認められない型は1B型(特発性)と名称がつけられている。1型糖尿病は、以前はインスリン依存性糖尿病と呼称されていた。日本人の罹患率は極めて少ないが、小児が罹患する事がある。20世紀半ばにインスリン注射が開発されるまでは、罹患すると糖尿病性昏睡から多様な合併症を引き起こし、死に至る疾病だった。